一過性脳虚血発作(TIA)の診断基準の再検討、ならびにわが国の医療環境に則した適切な診断・治療システムの確立に関する研究を行っています

研究概要

本研究班は、@TIA診断基準の見直し、Aその診断精度の検討、B新基準による脳梗塞リスク判定力の評価等を行う。これと並行して、C国内におけるTIA患者の受診動向、医療機関での診療実態、患者転帰等を調査し、Dわが国の医療環境に則した、かつMR診断時代に相応しいTIAの診断・治療ガイドラインを作成し、E診療システムの大胆な再構築を提言することを目的とする。

1.脳卒中専門医療機関を対象としたTIA診療の全国実態調査

日本脳卒中学会認定研修教育病院を対象としたアンケート調査を行い、(1)専門医が日常診療で用いているTIAの診断基準、(2)TIA患者に対する診療体制、(3)TIA外来患者数、(4)TIA入院患者数および在院日数、(5)検査の内容(6)治療内容等についての実態を把握する。

2.後ろ向き患者研究

わが国におけるTIA入院例の受診経路、臨床的特徴、および診断・治療の内容を明らかにすることを目的とした後ろ向き患者研究を行う。対象は、2008年1月02009年12月の2年間に、研究分担者所属施設に入院した発症後7日以内のTIA例である。インターネットを介したWebによるデータ入力を行う。調査内容は、性別、年齢、既往歴、家族歴、基礎疾患、発症前の治療内容、受診経路、臨床症状、ABCD2スコア、検査内容および所見、治療内容、入院中の脳・心血管系イベントの有無である。

3.前向き登録研究

現在、欧米およびアジア諸国で、発症後7日以内のTIAおよび軽症脳卒中患者を対象とした国際共同前向き登録調査が行われている (TIA org.registry)。本研究班でも、その調査項目・内容を踏まえた上で、わが国に独自のTIA前向き登録調査を実施する。

全国の多くの一般医療機関、並びに脳卒中専門施設の参加を求め、発症7日以内のTIA例を対象にしたWebによる前向き登録を行う。登録期間は2年間とする。性別、年齢、臨床症状,危険因子,既往歴、受診経路、発症から来院までの時間、症状持続時間、入院の有無、在院日数、検査内容、検査所見、治療内容、入院中の脳・心大血管疾患の発生状況等について調査する。さらに、各登録症例について1年間の追跡調査を行う。一次評価項目を、脳卒中発症+心・大血管疾患発症+死亡とし、これらに影響を与える因子を多変量解析で明らかにする。

TIA前向き研究のプロトコール

4.専門領域別分担研究

各分担研究者がTIAに関する個別の分担研究を行う。これには、新しい診断技術や抗血栓療法の開発、TIA症例に対する外科的インターベンションの選択と時期に関する研究等を含む。

5.診断基準見直しや診療ガイドライン作成に関するコンセンサス会議

本研究班員および外部専門家によるコンセンサス会議を開き、国内外での研究等の結果や本研究班での研究成果に基づき、わが国の医療環境に則した診断基準見直し、適切な診断・治療ガイドラインの作成を行う。

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